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「婚活」時代 (ディスカヴァー携書)

『極めて常識的な内容でした。』
一読して、要は結婚という契約は、誰もが将来的に約束されたものじゃなくて、
「一部の魅力ある男女間だけに許される、特権的な法律上の契約」
というふうに、この本で再定義されていることがわかりました。

まあ常識的に考えれば、性別に関係なく本当に魅力的な人は、本人が結婚を望めば、
中年になるまで周りが放って置くはずもなく、適当な時期に結婚できるはずです。

勿論、魅力が無くて結婚できず、独居老人になり、やがて自然淘汰される生涯も
自然の摂理で、これも常識的なことです。

この本の面白い所は、結婚相手を「待つ」から「探す」にシフトしないと、結婚難民に
なるから「婚活」しましょう、と言っておきながら、現実の勝負は魅力ある目敏い男女間で、
極めて早期に必然的決着が付いていて、椅子取りゲームが終わったあとはカスしか残っていないから
何をやっても望みどおりの相手になんか巡り会えっこないと言っている点です。

この本は上記の大いなる自己矛盾を見事に暴いて見せた日本で最初の書籍であり、
(結婚産業の事業者の皆様、ゴメンナサイネ)
巷間の結婚できない中年男女の悲鳴がぎゃーぎゃー聞えてくるようです。
(読了後、女性の悲鳴の声のほうが、僕にはかなり大きく聞えましたが・・・)

本書はそういった危機的状況を煽っていますが、それが本当に危機かどうかは怪しいです。
社会学がご専門の、著者の山田さんは内心気が付いていて、全く書いてませんね。
常識的には誰もが結婚すること自体が異常なことで、結婚しないで自然淘汰される人が
多少はいないと、人口大爆発で地球は環境的に終焉します・・・
ということくらいは書いて欲しかったです。
それが書けていなかったので、評価は星4個としました。

読了後の率直な感想ですが、「婚活」がトリガーとなって、
「結婚するにはあまりに魅力がない人」、「結婚に全く向かない人」を
積極的に市場から排除する自浄機能が働く、正常な世の中になってゆくことに、
今の危機的状況とは逆に、日本の将来は明るいぞ!!!、という気持ちにさせられました。

それほどに、今の日本は安易で不幸な(不潔な)結婚が多いです!!!
結婚→妊娠→出産→夫婦喧嘩→離婚では、罪もない子供がかわいそうです。

そういった意味からも、
本書の「今の若者の四人に一人は結婚できない!?」は、妥当な割合だと思います。

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